“これからのがんサポート”をはじめる前に

はじめに

　みなさん、こんにちは。私は、がん相談支援センターでがん専門相談員として、院内外の患者・家族、地域住民、関係機関からの相談に対応している医療ソーシャルワーカーです。

　さて、がん相談支援センターは、これまでがん医療ががんの「治療」と「研究」に偏ってきた反省から、がん患者・家族とともにあることを示すために設置されたものです。がん相談支援センターを有する病院は、地域がん診療連携拠点病院（以下、拠点病院）として、地域のがん対策推進の一翼を担っています。医師・看護師・薬剤師・リハビリテーションスタッフ・栄養士をはじめ、多くのスタッフが患者のために日々奮闘しています。私たち医療従事者が医療の進歩と患者・家族からの信頼に支えられていることを実感しているように、患者・家族の皆さんにも「支えられている」実感を持って治療や生活に取り組んで欲しいと願っています。この連載が、がん医療に携わる私たちと患者・家族にとって、次代への希望につながって欲しいという思いを込めて連載をスタートします。