連載 スキルとしての支持療法[5]
「肺がん患者の間質性肺炎マネジメント」篇
加藤 俊介
1,2
,
滝口 裕一
3
1順天堂大学大学院医学研究科臨床腫瘍学
2順天堂大学医学部腫瘍内科学研究室
3千葉大学医学部附属病院腫瘍内科
pp.502-505
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200236
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はじめに
根治治療が困難な患者に対する治療アプローチには、患者と医療従事者の間で共通の治療目標をシェアし、更に治療開始から終末期にいたるまでの治療計画を俯瞰したうえで、多種多様な薬物療法を駆使して患者ニーズに合った治療を提供することが求められます。
もちろん実臨床では、さまざまな合併症や複雑な社会的背景、あるいは薬物療法による有害事象のため、治療コンプライアンスを確保するのが困難な例も決して少なくありません。
今回取り上げる間質性肺炎は、化学療法の副作用や肺がんの進行に伴って併発することがよく知られています。間質性肺炎には、その起きる原因となる原疾患がない特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias;IIPs)と、二次性の間質性肺炎がありますが、両者は常に明確に区別できるとは限らず、肺がんとの合併を議論するうえで、この点が大きな問題となることも多い疾患です。本稿では、肺がん治療中に併発する間質性肺炎のマネジメントを紹介します。
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