連載 漢方のすゝめ—支持療法における処方の考え方[2]
合剤のなせる技、漢方薬の妙—半夏瀉心湯
上園 保仁
1
1国立研究開発法人国立がん研究センター研究所
pp.506-509
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200237
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はじめに
第1回では、わが国におけるがん政策の進展を紹介し、その政策に「漢方薬」によるがん支持療法が取り入れられるようになった経緯を説明した。近年、漢方薬が再び着目されることとなったのは、抗がん剤の副作用軽減および終末期がん患者の症状改善に対する漢方薬の有効性と、作用機序が基礎・臨床研究で明らかとなってきたことがひとつの要因であると考えられる。
今回は半夏瀉心湯を例に挙げ、半夏瀉心湯がなぜ複数の生薬で構成される合剤であるのか、そして漢方薬が生薬の合剤の妙と言われるそのゆえん、更に基礎・臨床研究に基づく半夏瀉心湯の処方についてお伝えできればと思う。
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