連載 スキルとしての支持療法[3]
「高齢者への化学療法とそのスクリーニングツール」篇
加藤 俊介
1,2
,
北村 浩
3
,
長島 文夫
3
,
古瀬 純司
3
1順天堂大学大学院医学研究科臨床腫瘍学
2順天堂大学医学部腫瘍内科学研究室
3杏林大学医学部内科学腫瘍内科
pp.608-613
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200137
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はじめに
根治治療が困難な患者さんに対する治療アプローチには、患者さんと医療従事者の間で共通の治療目標をシェアし、更に治療開始から終末期に至るまでの治療計画を俯瞰したうえで、多種多様な薬物療法を駆使して患者ニーズに合った治療を提供することが求められます。
もちろん実臨床では、さまざまな合併症や複雑な社会的背景、あるいは薬物療法による有害事象のため、治療コンプライアンスを確保するのが困難な例も決して少なくありません。
高齢者のがん患者が更に増加するなか、これからの化学療法は、化学療法そのもののリスクとベネフィット、レジメンの強度、自身のADL(activity of daily life)、QOL(quality of life)、社会・周囲のサポート、更には医療経済的問題などを総合的に判断することが求められます。本稿では、高齢がん患者への化学療法実施のためのポイントを紹介します。
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