連載 目から鱗のがん薬物療法—薬学的視点からみたケーススタディ[4]
レゴラフェニブによる甲状腺機能低下症
杉田 一男
1
1がん研有明病院薬剤部
pp.614-617
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200138
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薬剤師が伝えたいレゴラフェニブ服用患者における甲状腺機能測定の重要性
・近年、経口抗がん薬を用いた治療法が増加しています。大腸がんでは経口のカペシタビンと併用するXELOX療法、レゴラフェニブやトリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠があり、ライフスタイルを変えずに通院治療できるという利点があります。しかし、多様な副作用プロファイルを適切に管理できていない場合、アドヒアランスやQOLの低下を招き、結果として治療効果の低下につながる危険性もはらんでいます。
・当院では、新規薬剤の安全かつ効果的な導入、および標準化を目指して、医師・薬剤師・看護師などから成るチームを結成し、併せて業務マニュアルも作成しています。各薬剤ごとに結成されるこのチームでの薬剤師の大きな役割は、薬の副作用に対してどのような支持療法を行なっていくのかを具体的に考え、支持療法薬や副作用の評価方法を提案してチーム内でのコンセンサスを得ることです。
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