Feature Topic がん免疫療法時代の航海図
これから先の航海指針—免疫療法の2年後を先取りする
—論考—がん免疫研究のCutting Edge—Biomarkers for cancer immunotherapy
杉山 大介
1
1名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞免疫学
pp.494-498
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200120
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効果のある患者を見極めるために
免疫チェックポイント分子阻害薬による臨床効果が報告されてから数年経ち、免疫療法の効果が広く浸透されつつある。これまでの治療法では効果がみられなかったようながん患者に対して、免疫療法は劇的な効果を示している。一方で、その臨床効果を得られない患者も存在し、全てのがん患者に効果的な免疫療法の開発が最終目標である。これまでの臨床研究から、免疫チェックポイント分子阻害薬に効果があった患者に特徴的なバイオマーカーが見いだされており、それらを基にした治療法の開発が進められている。ここでは、現時点での免疫チェックポイント分子阻害薬による臨床効果と関連性のあるバイオマーカーを紹介しつつ、それらを踏まえた今後のバイオマーカー探索の可能性について述べる。
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