Feature Topic Over80歳のがん診療
Over80歳のがん診療とその臨床的課題
—論考—認知機能に障害があるOver80歳のがん診療の諸問題とその実際
明智 龍男
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
pp.267-272
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200080
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高齢がん患者の認知機能障害
日本は世界に先駆けて超高齢社会(一般的には人口に占める65歳以上の高齢者が21%を超えた場合を指す)を迎え、がん医療においても80歳を超えた高齢患者をみることもまれではなくなった。これに伴い、当然、高齢者に頻繁にみられる認知機能障害を伴ったがん患者も決して例外的なものではなくなりつつある。
その一方、認知機能障害と一言で言っても軽度なものから重度なものまで存在し、特に軽度のものは診療現場で看過されていることも少なくなく、その後の経過のなかでみられる服薬アドヒアランスの問題などを通して、初めて気づかれることも多い。
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