特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学
【Ⅰ章:個別の病態で切る!】エキスパートが織りなす怒涛の縦糸—個別から“理屈”をつかむ
❺免疫再構築症候群—その奇妙な仕組みを知り、正しい初期対応を
大場 雄一郎
1
1大阪急性期・総合医療センター 総合内科
キーワード:
免疫再構築症候群
,
細胞性免疫不全
,
日和見感染症
,
過剰な炎症
,
奇異反応
,
顕在化
Keyword:
免疫再構築症候群
,
細胞性免疫不全
,
日和見感染症
,
過剰な炎症
,
奇異反応
,
顕在化
pp.47-52
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203548
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Case1
抗HIV薬治療中に日和見感染症が再燃した一例
患者:40歳台、男性
現病歴:10カ月前から、HIV感染症/AIDS(CD4陽性リンパ球数<10/μL)、および肺病変と鼠径リンパ節炎の非結核性抗酸菌(Mycobacterium avium-intracellulare complex:MAC)症に対し、抗HIV薬+MAC症治療薬3剤併用の治療で軽快し、外来治療を継続中(CD4陽性リンパ球数>100/μLまで回復)。
3週間前から、微熱と湿性咳嗽、右手関節痛を自覚。体幹CTで、右肺上葉に浸潤影と末梢粒状散布影、右側縦隔リンパ節に多発する腫大と内部囊胞状変化がみられた。気管支鏡検査でMACのみ同定され、MAC症治療薬にレボフロキサシン内服が追加され、外来治療を継続。経過中に熱型上昇と右手関節痛増強があったが、解熱鎮痛薬で対応し、3カ月後には軽快した。
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