【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第10話
安心させられる医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.123-129
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202974
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
季節は冬。黒野の内科チームの初期研修医・西畑が「地域研修」から帰ってきた。研修先は、山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢の「白川診療所」。西畑いわく「すごい先生」がいたという。「患者さんの気持ちがわかってるかのよう」らしい。指導医の筧や黒野も、これには反応した。筧の勧めもあって、黒野は西畑と白川診療所を訪ねた。外来診療で気をつけていることを尋ねると、白川は「患者さんが言ってほしいことを、言ってあげること」だと答えて——。
白川診療所は、患者が絶えない。特別丁寧に診ている様子はなく、むしろ診療時間は短いほうだ。それでも患者がまた来たくなる。その秘訣は何なのだろう? 心身症の患者が多いが、白川医師は心身医学の専門家ではなく、普通の内科医だ。「心身症」とは何なのか? 心の病気か、身体の病気か——。
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