【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第8話
裏がある医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.1424-1429
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202886
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
精神科医・仁科渉が、医学生時代の後輩・筧のつてを頼って、黒野のもとへ難しい患者の相談に訪れた。37歳女性、主訴は慢性骨盤痛をはじめとする「全身痛」で、不眠や動悸、胸の締めつけ感、微熱といった多岐にわたる「自律神経症状」も抱えていた。しかし、器質的な疾患は見つからない。黒野の意見もまた同様だった。しかし黒野は、その「症例」そのものとは別の“何か”に、急に心配が募り始める…!黒野が感じた、その“何か”とは? 黒野には、いったい何がみえたのか…。
全身痛や不定愁訴の形をとりうる「身体疾患」の鑑別の重要性を、前回の臨床解説では述べた。では、それらが除外されれば、不定愁訴として経過観察・対症療法に努めればよいのだろうか? 患者は、自身の症状・苦痛をすべて言葉にできるとは限らない…。
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