#総合診療
#書評:タラスコン救急ポケットブック
志賀 隆
1
1国際医療福祉大学・救急医学
pp.203
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201910
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2002年の夏、那覇空港に東京から研修医が到着した。空港からバスに乗ってたどり着いた先は「沖縄米海軍病院」だった。研修医は、米軍病院の救急部門で採用を目指して、必死に実習をしていた。その際に、米国の救急医学レジデンシーを卒業したばかりの日焼けした指導医がパラパラとポケットブックをめくっていた。
「すみません。ちょっと私にも見せてもらえませんか?」と、ポケットブックを手に取った研修医はびっくりした。手のひらサイズのポケットブックの1頁1頁にぎっしり情報が詰まっている。頭部CTの適応、頸椎画像撮影の適応から抗生物質の使い方、肺塞栓のプレディクションルールなど、まさにこれが「ERのミニマムリクワイアメントだ!」と研修医は思った。エビデンスの大事なところが見やすくコンサイスにまとまっている。しかも、日本のハンドブックにありがちな根拠文献のない“オレ流”の列挙ではない。
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