書評
—Richard J. Hamilton 原著 舩越 拓,本間洋輔,関 藍 監訳—タラスコン救急ポケットブック
藤谷 茂樹
1
1聖マリアンナ医大・救急医学
pp.253
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226036
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タラスコン救急の待望の日本語翻訳本が刊行された.評者はすでに国内でも多くの研修医が使用しているものと思っていた.それぐらい需要の高い書籍である.この監訳にかかわった先生方は,日頃北米式ER方式で,救急搬送を含む多くの救急患者を診療されており,訳者は,第一線で活躍をされている若手救急医からなっている.日本では,北米式ER方式を採用しているところはまだそれほど多くない.昨今の新専門医制度,地域包括ケアで,救急の在り方が変わろうとしている.今回のこの書籍が,このタイミングで出版されたことは,まさに好機が到来したかのようである.
この手のひらほどのポケットブックにこれだけの情報を詰め込めるかというぐらいの驚くべき情報量である.循環器,神経内科,呼吸器科,感染症,外傷,環境障害,中毒のジャンルが比較的多く記載されており,実践的に役に立つ内容が厳選されている.
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