書評
—Richard J. Hamilton 原著 舩越 拓,本間洋輔,関 藍 監訳—タラスコン救急ポケットブック
林 寛之
1,2
1福井大学病院・救急科
2福井大学病院・総合診療部
pp.465
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226085
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タラスコンといえば南仏プロヴァンスの町.紀元前に退治されたという怪物タラスクに思いを馳せる盛大なお祭りが,落ち着いた街中で盛大に行われるという.でも救急の世界ではタラスコンは怪物にも似たものすごい膨大な情報を詰め込んだ『タラスコン救急ポケットブック』を意味する.コンピューターや電子書籍が発達した昨今,膨大な量の情報を持ち歩けるようになったとは言うものの,検索の素早さ,目の通しやすさにおいては,やはり目の前にある書籍に勝るものはない.
救急の良書は最近たくさん世に出ている.診断学を鍛える本は多いものの,診断が付いた後の治療まで手を伸ばすのはなかなか難しい.そんな膨大な情報を包括できる本など持ち歩けるはずもない.ところが,パッパラパッパパァ〜ララ〜(ドラえもんのひみつの道具を出すときのジングルで)! このタラスコンはまさしく知識の宝庫,実臨床で使う情報が細かく書いてある.
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