特集 聴診・触診×エコーで診断推論!—Point-of-Care超音波(POCUS)の底力
【各論】
腹部触診とエコー—腹部はブラックボックス?
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
キーワード:
腹部
,
触診
,
Point of Care
,
超音波
Keyword:
腹部
,
触診
,
Point of Care
,
超音波
pp.792-797
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201529
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Case1
患者:86歳、男性。
主訴:発熱、右腹痛。
既往歴:高血圧。
現病歴:受診3日前から胸やけがあり、その後、右腹痛が出現した。受診当日に発熱があり、近医受診後に当院へ紹介となった。
身体所見:意識クリア、血圧158/62mmHg、脈拍数73回/分、呼吸数20回/分、体温38.7℃、SpO2 93%(室内気)。呼吸音・清、腹部は平坦で軟、右季肋部に叩打痛、右上腹部に圧痛あり、Murphy's sign陽性。
Point-of-Care超音波(POCUS):病歴と身体所見より急性胆囊炎が疑われたので、まずポータブル装置で胆囊の観察を行うことにした。右肋骨弓下縁からの観察では、胆囊は短径47mm・長径111mmと腫大、壁は6mm程度に肥厚し、sonolucent layerを認めた(図1ⒶⒷ)。胆囊頸部に結石像を認めたが、嵌頓結石ははっきりしなかった。プローブで胆囊を圧迫すると強い疼痛が誘発され、圧痛は胆囊に限局していた(動画10)。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年5月31日まで)。
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