特集 聴診・触診×エコーで診断推論!—Point-of-Care超音波(POCUS)の底力
【各論】
呼吸音とエコー—肺エコーと胸部聴診
関谷 充晃
1
1埼玉県済生会川口総合病院呼吸器内科
キーワード:
胸部
,
聴診
,
Point of Care
,
肺エコー
Keyword:
胸部
,
聴診
,
Point of Care
,
肺エコー
pp.786-791
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201527
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Case1
患者:79歳、男性。
主訴:発熱、咳嗽、喀痰。
既往歴:脳梗塞(78歳)。
現病歴:脳梗塞後遺症の診断で、通院中に38.2℃の発熱、咳嗽、膿性痰を自覚。受診当日も38.0℃の発熱が続くため、当院を受診した。家人の話では、食事摂取の際に、たびたびむせ込んでいたという。
身体所見:意識清明。血圧148/84mmHg, 脈拍数92回/分、呼吸数18回/分、体温38.2℃、SpO2 92%(室内気)。胸部聴診では、右下背部で気管支呼吸音と吸気時の湿性の断続性ラ音(pan-inspiratory+crackle)(動画6)を聴取した。
Point-of-Care超音波(POCUS):脳梗塞の既往のある高齢男性で、病歴と身体所見から右肺炎、特に誤嚥性肺炎が疑われた。気管支呼吸音と湿性ラ音が聴取される右下背部を、超音波診断装置で観察した。胸膜直下に呼吸性に頭尾方向に移動する肺内病変を認めた。同病変内には吸気・呼気により増減する多数の点状の高エコーが見られた(図1・動画7)。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年5月31日まで)。
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