特集 聴診・触診×エコーで診断推論!—Point-of-Care超音波(POCUS)の底力
【各論】
腰臀部触診とエコー—腰殿部の触診できてますか?—圧痛点の同定のために
白石 吉彦
1
1隠岐広域連合立隠岐島前病院
キーワード:
腰臀部痛
,
特異的圧痛点
,
fascia
,
hydrorelease
Keyword:
腰臀部痛
,
特異的圧痛点
,
fascia
,
hydrorelease
pp.798-804
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201531
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case1
筋膜性疼痛症候群にhydroreleaseを行った1例
患者:46歳、男性。
主訴:腰痛。
既往症:特になし。
現病歴:受診3日前に冷蔵庫を運んだ。受診2日前に草むしり。受診日朝より右の腰部の痛みが増悪し、体動に制限があり、来院。
身体所見:意識清明、血圧・脈拍数・体温に異常なし。まっすぐ立っていれば歩行可能。右腰部痛のため、体幹屈曲伸展ともに制限あり。下肢のしびれなし、痛みなし。深部腱反射亢進・低下なし。SLR(straight leg raising test)70°で、右腰部に痛み。正中脊椎に圧痛なし、第3腰椎レベルで右側約3cmの部位に圧痛最強点あり。体幹右回旋、伸展にて同部位に痛みの増強あり、さらにその状態で頸部伸展にて痛み増強。
Point-of-Care超音波(POCUS):圧痛部位にプローブを当てると、最長筋であることが確認できる。最長筋内表層から約3cmの深さに、白く重積した組織を認める。同部位に、0.1%キシロカイン10mLで、エコー下トリガーポイント注射(fascia、hydrorelease施行)(図2、3)。直後に腰部伸展、右回旋の痛みは10→1となった。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.