特集 症状・症候別 エコーを使った診断推論─Point-of-Care超音波
【症状・症候別 各論】
ジェネラリストがマスターしたい!心エコー—胸痛
方波見 謙一
1,2
1北海道大学病院先進急性期医療センター
2北海道大学大学院医学研究科 侵襲制御医学講座 救急医学
キーワード:
胸痛
,
超音波
,
Point of Care
,
FOCUS
,
RUSH
Keyword:
胸痛
,
超音波
,
Point of Care
,
FOCUS
,
RUSH
pp.735-740
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200629
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Case
胸痛を主訴にショック,意識障害をきたした1例
患者:55歳,男性.
主訴:胸背部痛,意識障害.
既往歴:糖尿病.
現病歴:2週間前から寒い所へ行くと胸部に絞扼感があったが,我慢していた.突然の左背部痛,胸痛を自覚し,その後意識消失.痙攣を伴ったために,妻より救急要請となった.
救急隊到着時には意識は改善していて,会話可能な状態だった.搬入時のバイタルは,血圧70/30mmHg,脈拍数48回/分,呼吸数20回/分,SpO2 97%(室内気)であった.
胸部の違和感を訴えていて,末梢の冷汗が著明な状態であった.搬入時の心電図で,Ⅱ,Ⅲ,aVfにST上昇を認め,Ⅰ,aVl,V2-3にST低下を認めた(図1).
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