特集 症状・症候別 エコーを使った診断推論─Point-of-Care超音波
【症状・症候別 各論】
腸管の動きも診たい!消化管エコー—腹部膨満
小縣 正明
1
1神戸市立医療センター西市民病院救急総合診療部
キーワード:
腹部膨満
,
Point of Care
,
超音波
,
診断推論
,
イレウス
,
腹腔内貯留液
Keyword:
腹部膨満
,
Point of Care
,
超音波
,
診断推論
,
イレウス
,
腹腔内貯留液
pp.756-760
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200633
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Case 1
患者:73歳,男性.
主訴:腹部膨満,便秘.
既往歴:3カ月前より前立腺癌に対してホルモン治療開始.手術歴なし.
現病歴:1カ月前より便秘があり,10日前より腹部膨満感と食欲不振を伴った.吐き気・嘔吐や腹痛はなかった.腹部膨満感の増強のため,かかりつけ医を受診し,救急外来に紹介された.最終排便は4日前で,血便はなかった.便秘薬の服用はなかった.1年前と比べて体重が5kg減少した.
身体所見:血圧136/92mmHg,脈拍数98回/分,体温36.8℃,SpO2 93%(room air).貧血なし.
腹部は緊満しているが,筋性防御や腹膜刺激症状,圧痛はなかった.直腸指診で腫瘤や血便を触れず,鼠径部に膨隆を認めなかった.
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