特集 症状・症候別 エコーを使った診断推論─Point-of-Care超音波
【総論】
病歴と身体所見に基づいたエコーを使った診断推論—「Point-of-Care超音波」というコンセプト
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
キーワード:
超音波
,
Point of Care
,
診断推論
,
ポケットエコー
,
教育
Keyword:
超音波
,
Point of Care
,
診断推論
,
ポケットエコー
,
教育
pp.726-729
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200627
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「Point-of-Care超音波」とは?
超音波(エコー)は,検査室で専門家が行う場合と,診療医(clinician)がベッドサイドで行う場合とに分けられる.前者は適切に精度管理がなされ一定の質が保たれているが,後者の診療医がベッドサイドで行う超音波に関してはどうだろうか?
非侵襲的で手軽な超音波は,不慣れであってもとりあえず施行可能だが,現状ではその活用は各診療医の裁量に委ねられている.また本邦では,診療医がどのレベルで超音波を施行するのが妥当か明示されていない.さらに,超音波のトレーニングを受ける機会も限られている.その結果,いわゆる超音波の専門家ではない診療医が施行する超音波は,一定の質が確保されず,また同僚や他科の医師との間で「情報の共有」が難しく,臨床の現場では正当な評価が得られにくい.
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