特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【診断編】
プライマリ・ケアにおける「不安」の評価法
木村 勝智
1
1みよし市民病院 内科
キーワード:
全般不安症/全般性不安障害
,
パニック症/パニック障害
,
強迫症/強迫性障害
,
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
,
社交不安症/社交不安障害
Keyword:
全般不安症/全般性不安障害
,
パニック症/パニック障害
,
強迫症/強迫性障害
,
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
,
社交不安症/社交不安障害
pp.1177-1181
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201100
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Case
健康診断を契機に多彩な症状を呈した一例
患者:56歳、女性。主婦。
既往歴・家族歴:特記すべきことなし。
現病歴:3カ月ほど前に、健康診断で初めて「不整脈」を指摘された。それまでは無症状であったが、それ以降は頻回に「動悸」を自覚するようになり、「発汗」「手の震え」「口の渇き」「不眠」「食欲不振」などの症状も出現するようになった。もともと心配性で、ちょっと気になることがあると、それが頭の中でぐるぐるして眠れなくなるのが常であり、最近では娘の結婚に伴う心配事が多かった。
胸部X線写真、心電図・Holter心電図、甲状腺機能および血中/尿中カテコールアミンを含む血液/尿検査で異常は認められなかった。問診では、全般性不安と軽度のうつ傾向が認められたが、双極性障害や精神病性障害は否定的で、「全般不安症/全般性不安障害」と診断した。抗うつ薬(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の投与を開始したところ、症状は徐々に改善し、日常生活に支障はなくなった。
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