特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【治療編】
—ベンゾジアゼピン系薬に頼らない!—「不安」に対する薬物療法
宮内 倫也
1
1可知記念病院 精神科
キーワード:
薬物療法
,
抗うつ薬
,
漢方薬
,
中断症状
Keyword:
薬物療法
,
抗うつ薬
,
漢方薬
,
中断症状
pp.1182-1187
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201102
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Case
日常型の心的外傷を有する一例
患者:23歳、女性。発達に特記事項なし。小学校から大学まで、交友関係は平穏であった。
現病歴:大学卒業後に、就職し働いていた。仕事中に泣いていることがあり、同僚が心配して受診を勧めた。診察中に本人から自発的には語られなかったが、医師から「昔あった嫌な記憶がフッと湧き出して、つらくなることはないか」と問うたところ、「入社当時に部長から大声で怒られたことを、突然思い出しちゃう。忘れようとしてもできなくてつらくて、夢にも出てきてうなされる」と話した。「そのようなつらいことがあれば、苦しくなるのも無理はないだろう。そのなかで頑張っているし、よく話してくれた」とねぎらい、四物湯と桂枝加竜骨牡蛎湯を2包/日ずつ処方した。4週間後には改善しており、表情にも優雅さが戻ってきた。
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