特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【実際編+誌上メンタリング】
—シーン❹日常生活に潜むトラウマ体験—「いくら調べても原因不明の身体症状、もしかして…」
井出 広幸
1
1奏愛会 信愛クリニック
キーワード:
身体症状
,
トラウマ体験
,
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
,
フラッシュバック
,
覚醒亢進
Keyword:
身体症状
,
トラウマ体験
,
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
,
フラッシュバック
,
覚醒亢進
pp.1207-1209
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201112
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Case
患者:42歳、女性。会社員。
現病歴:「動悸がして、胸が苦しくなる」と来院。「最近、電車に乗ると息苦しくなって、会社に行くのがつらい。胃の調子も悪くて、体重も減った」とのこと。内科的な診察および各種検査に異常はなかった。
少し詳しく聴いてみると、「半年前に課長から、皆の前でひどく叱責されて以来、調子が悪い。以来、課長を見ると具合が悪くなるため、なるべく課長と顔を合わせないようにしてきた。課長を見るたびに、あの時のことが思い出され、落ち込んでしまう。夜も悪夢で飛び起きるようになり、何をしても楽しくなくなっている」とのことだった。
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