特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【診断編】
「不安」を身体診察でアセスメントできるか?
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
キーワード:
不安
,
身体所見
,
ため息
,
まばたき
Keyword:
不安
,
身体所見
,
ため息
,
まばたき
pp.1172-1176
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201098
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Case
患者:58歳、女性。生来健康。
現病歴:2週間前、なんとなく「倦怠感」を感じたため夕方に測った体温が37.5℃であった。その後、体温を毎日測定したところ37℃前半の発熱が続いているが、倦怠感は消失している。それ以外の症状はない。すでに複数の医療機関で血液検査やX線検査、超音波検査を受け、異常はないと言われている。
診察室で何度も「ため息」をつくことから心理・社会的要因を確認したところ、義母の介護に疲弊していることが判明した。また、知人が原因不明の食欲低下と微熱が続き、最終的に悪性リンパ腫と判明していたこともわかった。
詳細な病歴聴取と身体診察を行ったのち、重篤な病気による徴候とは思えないことを説明した。また、食後や運動後・入浴後を避けて体温測定するように指導したところ、“微熱”は消失したため終診とした。
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