特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【治療編】
—プライマリ・ケア医にもできる!—「不安」に対する精神療法
今村 弥生
1
1杏林大学医学部付属病院 精神神経科学
キーワード:
治療同盟
,
呼吸法
,
簡易型認知行動療法
,
瞑想、マインドフルネス
Keyword:
治療同盟
,
呼吸法
,
簡易型認知行動療法
,
瞑想、マインドフルネス
pp.1188-1191
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201103
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Case
患者:38歳、男性。会社員。
現病歴:「動悸」「めまい感」「中途覚醒」、また「足がしびれてふらつくような気がする」と初診。2週間前の日中、「動悸」と「呼吸困難」が起こり、救急外来を受診したが、数々の検査後、器質的な異常は指摘されず、「パニック症/パニック障害」と診断されていた。問診上、身体症状が前景に出ていて、表情は一見元気そうだが、軽度の「抑うつ気分」も認められた。今まで精神科受診歴はない。
「軽症うつ病エピソード+パニック症」と診断し、本人に病気の説明をしたところ「電車に乗るのが不安で、いつも動悸がする。また以前のような発作が起こるのではないかと不安です」と訴えた。仕事の悩みには共感もできて、見るからに真面目そうな、パーソナリティの問題も発達障害などのコミュニケーションの問題もなさそうなこの人なら、プライマリ・ケア医でも精神療法ができそうかと思われたが……。
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