特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【実際編+誌上メンタリング】
—シーン❸“救急”で診る不安—「バリキャリ風の若い女性が過換気で…。きっとパニック症だね!」
田中 博之
1
1帝京大学 ちば総合医療センター・救命救急センター
キーワード:
不安症/不安障害
,
パニック症/パニック障害
,
パニック発作
,
身体症状
Keyword:
不安症/不安障害
,
パニック症/パニック障害
,
パニック発作
,
身体症状
pp.1202-1205
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201110
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Case
てっきり「過換気症候群」かと……
患者:35歳、女性。会社員。
現病歴:外来受付から「患者さんが苦しがっている」と連絡があった。駆けつけると、スーツを着こなした“バリバリのキャリアウーマン風”の女性が、頻呼吸で1回換気量は過大、発汗著明、Trousseau徴候(助産師手位)で長椅子にもたれていた。手足のしびれも訴えている。救急外来に移送し、過換気や呼吸性アルカローシス症状の寛解を待った。しばらくすると症状は消退してきたが、右手のしびれが治らない。その他に明らかな神経学的異常はなかった。
話をうかがうと、過換気をきたしたのは初めてであることと、来院前にひどい頭痛がした(そのために受診した)ことがわかった。緊急MRI検査を実施したところ、「小脳梗塞(急性期)」だった。
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