特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【実際編+誌上メンタリング】
—シーン❷不安を打ち消すための行為や儀式に縛られている人々—「自分でもばかばかしいと思うことが、やめられない、止まらない」
宮崎 仁
1
1宮崎医院
キーワード:
不安症/不安障害
,
強迫症/強迫性障害
,
強迫観念
,
強迫行為
Keyword:
不安症/不安障害
,
強迫症/強迫性障害
,
強迫観念
,
強迫行為
pp.1198-1200
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201108
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Case
“クレーマー”かと思ったら……
患者:19歳、男性。浪人生。
現病歴:感冒症状を主訴として、一般内科の開業医を受診した。
待合室で診察の順番を待っている最中に、受付の事務職員に対して「自分の順番が来たはずなのに、あとから来た別の人が先に呼ばれた」とひどく怒っている。院長はその患者を診察室に呼び入れて、不快な気分にさせたことを丁寧に謝罪してから、「当院は予約制なので、あとから来院した予約枠の患者さんを先に診る場合がある」という事情を説明した。すると、患者はとても恥ずかしそうに「数を数えずにはいられないのです。待合室でも、ずっと待っている患者の数を何度も数えていて、次は僕の番だと思ったものですから……」と言った。
改めて問診してみると、2年ほど前から、縁起の悪い4や9の数字が恐ろしくなり、目の前にあるものを何でも数えてしまうようになったということだった。「数えることがばかばかしくなってやめようと思うのですが、数えることをやめるとすごく不安になって、またすぐに数えてしまうのです……」と言って深いため息をついた。
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