Japanese
English
特集 膵・胆管合流異常と胆囊病変
症例呈示
膵・胆管合流異常に伴った胆囊腺筋腫症内に認められた上皮内胆囊癌の1例
In-situ carcinoma found in adenomyomatosis of the gallbladder associated with pancreaticobiliary maljunction―a case report
藤本 武利
1
,
三輪 亘
2
,
中川 雅夫
3
,
小熊 将之
1
,
加藤 洋
4
Taketoshi FUJIMOTO
1
,
Wataru MIWA
2
,
Masao NAKAGAWA
3
,
Masayuki KOKUMA
1
,
Yo KATO
4
1平塚胃腸病院 外科
2平塚胃腸病院 内科
3昭島病院 消化器内科
4獨協医科大学 日光医療センター病理部
1Department of Surgery,Hiratsuka Gastroenterological Hospital
2Department of Internal Medicine,Hiratsuka Gastroenterological Hospital
3Department of Gastroenterology,Akishima Hospital
4Department of Pathology,Nikko Medical Center,Dokkyo Medical University
キーワード:
膵胆管合流異常
,
胆囊腺筋腫症
,
胆囊癌
,
超音波検査
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
膵胆管合流異常
,
胆囊腺筋腫症
,
胆囊癌
,
超音波検査
,
腹腔鏡下手術
pp.511-517
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100443
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要旨
患者は,62歳,男性.無症状であったが,人間ドックUSで胆囊が不明瞭のため,当院へ紹介された.CEA,CA19-9は正常内であった.US上,胆囊体底部の著明な全周性壁肥厚と内腔狭小化を認めた.壁層構造が不明瞭で内腔近くに微小囊胞とコメットエコーがみられた.肝外胆管径は正常内であった.造影CTで壁肥厚の内層が不均一に濃染した.MRIを行うとT2強調画像で低信号を示す壁肥厚の内層に全周性の点状高信号がみられた.また,MRCP,ERCPで膵胆管合流異常を認めた.胆管非拡張型の膵胆管合流異常に伴う胆囊腺筋腫症の診断で腹腔鏡下胆摘を行った.病理組織学的に胆囊体底部に著明なRAS増生があり,一部でRASを裏打ちするように帯状分布の上皮内癌(m-RASss)を認めた.一方,内腔上皮には過形成のみがみられた.術後3年10か月を経過して健在である.自験例は,膵胆管合流異常・胆囊腺筋腫症・胆囊癌の3病態の合併症例であり,同様症例は検索し得た限り今までに報告されていない.
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