Japanese
English
特集 胆囊腺筋腫症の画像を見直す―癌との鑑別を中心に
主題症例
胆囊腺筋腫症,膵胆管高位合流が併存した平坦型早期胆囊癌の1例
A case of flat type early carcinoma of the gallbladder with generalized type adenomyomatosis and high confluence of pancreaticobiliary ducts
井利 雅信
1
,
田中 晃久
1
,
上司 裕史
1
,
矢倉 道泰
1
Masanobu IRI
1
,
Akihisa TANAKA
1
,
Hiroshi KAMITSUKASA
1
,
Michiyasu YAGURA
1
1独立行政法人国立病院機構東京病院消化器科
1Department of Gastroenterology, National Hospital Organization National Tokyo Hospital, Tokyo
キーワード:
胆囊癌
,
早期胆囊癌
,
平坦型早期胆囊癌
,
胆囊腺筋腫症
,
膵胆管高位合流
Keyword:
胆囊癌
,
早期胆囊癌
,
平坦型早期胆囊癌
,
胆囊腺筋腫症
,
膵胆管高位合流
pp.323-328
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100058
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要旨
症例は67歳,女性.主訴は嘔吐.2006年4月に主訴が出現し,近医に入院した.5月18日,再度主訴が出現し,当科に初診となった.検査では,γGTP,AMY,CA19-9が高値を示した.US・EUSで,胆囊体底部の内側低エコー層の肥厚,壁内囊胞様領域,多発するcomet-like echoがみられた.CTでは,同部の壁肥厚,内部の多発性囊胞様領域がみられ,造影にて壁肥厚部が淡く染まった.MRCPでは,同部の壁肥厚と,内部に点状高信号を認めた.ERCPでは,膵胆管高位合流がみられた.以上より,胆囊腺筋腫症と診断したが,癌の合併も疑われたので,胆摘術を施行した.肉眼的に,胆囊体底部に黄白色調に変色した平坦病変を認めた.壁内には,囊胞が多数みられた.病理組織学的に,胆囊腺筋腫症を伴った乳頭管状腺癌で,深達度はm-RASssであった.胆囊腺筋腫症,膵胆管高位合流に合併した平坦型(Ⅱb)早期胆囊癌の1例を経験し,3つの病態の合併例の報告は検索しえた限り今までになく,文献的考察を加えて報告した.
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