Japanese
English
特集 胆囊腺筋腫症の画像を見直す―癌との鑑別を中心に
胆囊腺筋腫症の病理
Pathology of adenomyomatosis of the gallbladder
工藤 康之
1,2
,
原 精一
1,3
,
赤坂 治枝
1,4
,
神 寛之
1,4
,
大橋 大成
1,4
,
佐藤 冬樹
1
,
楠美 智巳
1
,
鬼島 宏
1
Yasuyuki KUDO
1,2
,
Seiichi HARA
1,3
,
Harue AKASAKA
1,4
,
Hiroyuki JIN
1,4
,
Motonari OHASHI
1,4
,
Fuyuki SATO
1
,
Tomomi KUSUMI
1
,
Hiroshi KIJIMA
1
1弘前大学大学院医学研究科病理生命科学講座
2弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科学講座
3東邦大学医療センター大森病院消化器内科
4弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
1Pathology and Biosience, Hirosaki University School of Medicine, Hirosaki
2Gastroenterology and Hematology, Hirosaki University School of Medicine, Hirosaki
3Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, Toho University Omori Medical Center, Tokyo
4Digestive Surgery, Hirosaki University School of Medicine, Hirosaki
キーワード:
胆囊腺筋腫症(adenomyomatosis)
,
Rokitansky-Aschoff sinus(RAS)
,
胆囊癌
Keyword:
胆囊腺筋腫症(adenomyomatosis)
,
Rokitansky-Aschoff sinus(RAS)
,
胆囊癌
pp.299-304
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100055
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要旨
胆囊腺筋腫症(adenomyomatosis of the gallbladder)は,Rokitansky-Aschoff洞の過形成・集簇および,それを取り巻く平滑筋線維と膠原線維の過形成により,胆囊壁に肥厚を形成した病変である.長年,良性疾患として扱われているが,胆囊壁内に腫瘤を形成することより,しばしば胆囊癌との鑑別が困難な場合がある.また,近年では胆囊癌との関連性についても注目されるようになっている.胆囊腺筋腫症では,胆囊壁の形状変化のため胆汁うっ滞が起こり,胆石症の合併や胆囊上皮の炎症性変化が起こるとされる.このように炎症性変化のため,胆囊上皮が幼若化し,増殖能が上昇するために胆囊癌の発生母地になるのではないかと考えられている.本稿では胆囊腺筋腫症の組織学的特徴について解説するとともに,胆囊癌との関連性について考察する.
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