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特集 膵・胆管合流異常と胆囊病変
序説
膵・胆管合流異常と胆囊病変―その多彩な病態
Pathophysiological tectures in gallbladder with a pancreaticobiliary maljunction
花田 敬士
1
Keiji HANADA
1
1JA広島厚生連尾道総合病院 内視鏡センター
1Center for Gastroendoscopy,Onomichi General Hospital
キーワード:
過形成
,
胆囊癌
,
胆囊壁肥厚
,
EUS
,
胆囊腺筋腫症
Keyword:
過形成
,
胆囊癌
,
胆囊壁肥厚
,
EUS
,
胆囊腺筋腫症
pp.471-474
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100437
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はじめに
膵・胆管合流異常(以下,合流異常)は,現行の胆道癌診療ガイドラインにおいて胆囊癌の危険因子に位置づけられている1).特に胆管非拡張症例では,胆囊癌を高頻度に発生することが報告されている.合流異常の胆囊上皮は幼少時から過形成がみられ,年齢とともに高頻度となり,異形成を経て発癌に至る経路が推測されており,臨床的には超音波画像で胆囊壁内側低エコーの肥厚像として反映される.
一方,合流異常の胆囊では癌以外にも胆囊腺筋腫症,胆囊炎,炎症性ポリープなど病態は多彩であり,癌との鑑別に難渋する場合も多く,その術前診断は外科的治療方針の決定に大きく影響する.
本特集号のテーマは,2010年7月に東京で開催された第11回臨床消化器病研究会の胆道のセッションにおける主題「膵・胆管合流異常と胆囊病変」であり,山形大学の木村 理先生と司会を担当させていただいた.合流異常は比較的稀な疾患であり,テーマに沿った演題応募が少ないのではないかと危惧したが,予想に反して多数の演題応募をいただいた.この場を借りて感謝申し上げたい.東京医科大学の糸井隆夫先生には画像診断の立場から,順天堂大学の信川文誠先生には病理の立場から基調講演をいただいた.7例の症例報告もそれぞれが大変興味深く,非癌,早期胆囊癌,進行胆囊癌,比較的稀な組織型の癌の順で呈示していただいた.今回の特集を通じて読者諸氏には,合流異常の胆囊病変の多彩さを再認識し,画像と病理の詳細な比較から,診断の最前線と課題を理解していただければ幸いである.
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