Japanese
English
特集 膵内分泌腫瘍の画像と病理―典型例から非典型例まで
主題症例
嚢胞変性を呈した膵内分泌腫瘍
Cystic pancreatic neuroendocrine tumors
河上 洋
1
,
桒谷 将城
1
,
羽場 真
1
,
江藤 和範
1
,
小野寺 学
1
,
近藤 哲
2
,
浅香 正博
1
Hiroshi KAWAKAMI
1
,
Masaki KUWATANI
1
,
Shin HABA
1
,
Kazunori ETOH
1
,
Manabu ONODERA
1
,
Satoshi KONDO
2
,
Masahiro ASAKA
1
1北海道大学大学院 医学研究科 消化器内科学
2北海道大学大学院 医学研究科 腫瘍外科学
1Department of Gastroenterology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
2Department of Surgical oncology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
膵内分泌腫瘍
,
NET
,
嚢胞変性
,
超音波内視鏡下穿刺吸引生検術
,
EUS-FNA
Keyword:
膵内分泌腫瘍
,
NET
,
嚢胞変性
,
超音波内視鏡下穿刺吸引生検術
,
EUS-FNA
pp.489-500
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100287
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要旨
膵内分泌腫瘍(NET)は充実性を呈することが多いが,時に腫瘍内部の出血,壊死により嚢胞変性を呈することがある.嚢胞変性を呈した膵NETの特徴的な画像所見は,染影・造影増強効果を伴う厚い嚢胞壁を有しており,嚢胞壁内腔が凹凸不整で,嚢胞内腔に突出する染影・造影増強効果を有する充実部分が認められることである.鑑別診断は膵リンパ上皮嚢胞,膵epidermoid cyst,膵dermoid cyst,膵粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)や仮性嚢胞,solid-pseudopapillary neoplasms(SPN)などの各種疾患が挙げられる.鑑別診断困難例に対しては充実部分に対する超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)が有用であるが,嚢胞成分,あるいは嚢胞成分を介した穿刺とならないように十分な注意を要する.本稿では,嚢胞変性を呈した膵NETの自験2例を中心として,画像診断の詳細と病理組織学的所見との対比を解説する.
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