Japanese
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特集 早期膵癌――StageⅠへのアプローチ
早期膵癌の病理―PanINとIPMNの発生と進展の分子機序
Pathology of the early pancreatic cancer:PanIN and IPMN
古川 徹
1
Toru FURUKAWA
1
1東京女子医科大学国際統合医科学インスティテュート
1International Research and Educational Institute for Integrated Medical Sciences,Tokyo Women's Medical University,Tokyo
キーワード:
膵臓癌
,
膵上皮内腫瘍性病変
,
PanIN
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
IPMN
Keyword:
膵臓癌
,
膵上皮内腫瘍性病変
,
PanIN
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
IPMN
pp.495-503
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100088
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要旨
膵上皮内腫瘍性病変(pancreatic intraepithelial neoplasia:PanIN)と膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary-mucinous neoplasm:IPMN)はいずれも膵管上皮内に発生する腫瘍性病変であり,低異型度病変から高異型度病変を経て浸潤性膵管癌に進展しうると考えられている.PanINにおいてはhigh-grade PanIN/PanIN-3が,IPMNにおいてはintraductal papillary mucinous carcinomaが上皮内癌,非浸潤癌に相当し,真の早期膵癌に相当するものと考えることができる.PanIN,IPMNとも特徴的分子異常を伴い,異型が強くなるに従って分子異常が蓄積していく.PanIN,IPMNの分子病理学的性質がより詳細に明らかにされることにより早期膵臓癌特異的診断マーカーや分子プローブが開発され,膵臓癌の真の早期診断が可能になることが期待される.
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