Japanese
English
症例報告
多発する腫瘍性嚢胞を伴った退形成性膵管癌の1例
Anaplastic carcinoma of the pancreas surrounded by multiple neoplastic cysts
本杉 宇太郎
1,2
,
山口 浩
1
,
永田 耕治
1
,
金 玲
1
,
岡本 光順
3
,
小山 勇
3
,
清水 道生
1
Utaroh MOTOSUGI
1,2
,
Hiroshi YAMAGUCHI
1
,
Kohji NAGATA
1
,
Ling JIN
1
,
Kojun OKAMOTO
3
,
Isamu KOYAMA
3
,
Michio SHIMIZU
1
1埼玉医科大学国際医療センター 病理診断科
2山梨大学 放射線科
3埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科
1Department of Pathology,Saitama Medical University International Medical Center,Saitama
2Department of Radiology,University of Yamanashi,Yamanashi
3Department of Digetive Surgery,Saitama Medical University International Medical Center,Saitama
キーワード:
膵
,
退形成性膵管癌
,
嚢胞
,
IPMN
Keyword:
膵
,
退形成性膵管癌
,
嚢胞
,
IPMN
pp.102-107
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100232
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要旨
患者は60歳代,男性.3か月前より心窩部痛が出現した.近医にて膵臓に囊胞を指摘され当院を紹介となった.CT,MRIでは膵全体に最大で5cm程度までの大小様々な囊胞が多発していた.一部の囊胞ではfluid-fluid levelを認めた.ダイナミックCTとT2強調画像では膵全体に充実性の腫瘍が広がっており,FDG-PETではこの充実性の部分に高集積を認めた.組織学的には多形性の強い腫瘍細胞の肉腫様増殖が主体であった.腫瘍内には多数の破骨細胞型の多核巨細胞が認められ,また骨化が広範に観察された.囊胞壁は腫瘍性上皮で被覆されていた.病理診断は,多発する腫瘍性囊胞を周囲に伴った破骨細胞型退形成性膵管癌であった.
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