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特集 早期膵癌――StageⅠへのアプローチ
術前診断されたStage Ⅰ膵癌の症例と解説―金沢大学医学部附属病院肝胆膵外科・放射線科
Pancreatic Stage I carcinoma diagnosed by MDCT. Department Radiology,Kanazawa University Graduate School of Medical Science
蒲田 敏文
1
,
望月 健太郎
1
,
服部 由紀
1
,
松井 修
1
,
北川 裕久
2
,
萱原 正都
2
,
太田 哲生
2
Toshifumi GABATA
1
,
Kentaro MOCHIZUKI
1
,
Yuki HATTORI
1
,
Osamu MATSUI
1
,
Hirohisa KITAGAWA
2
,
Masato KAYAHARA
2
,
Tetsuo OOTA
2
1金沢大学医学部附属病院肝胆膵外科・放射線科
2金沢大学医学部附属病院肝胆膵外科
1Department of Radiology,Kanazawa University Graduate School of Medical Science,Kanazawa
2Department of Hepatobiliary pancreatic Surgery,Kanazawa University Graduate School of Medical Science,Kanazawa
キーワード:
早期膵癌
,
MDCT
,
膵管拡張
,
嚢胞
Keyword:
早期膵癌
,
MDCT
,
膵管拡張
,
嚢胞
pp.511-516
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100090
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要旨
2002年10月のMDCT導入以後の膵癌切除(44症例)の検討では,膵頭部癌ではTS1症例は4例/46例(8.7%),T1が2例/46例(4.3%),StageⅠが1例/46例(2.2%)である.この結果から画像診断が進歩した現在であっても,画像で発見された小膵癌の多くがすでに進行癌であり,根治が期待できる早期膵癌を発見することは困難な状況に変わりないことがわかる.TS1膵癌が発見される契機となった画像所見は膵管拡張,膵囊胞,胆管拡張などである.腫瘍自体はサイズが小さいと指摘が難しい場合があるので,これらの随伴所見に注意を向ける必要がある.また,早期膵癌を発見するためには,空間分解能にすぐれたMDCTを用いたthin sliceのダイナミックCTが必須である.また,小膵癌ではダイナミックCTの動脈優位相よりも平衡相で遅延性に濃染し指摘可能となる場合があるので,平衡相の画像も注意深く読影することが重要である.
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