膵癌長期生存例の臨床と画像―金沢大学

Clinical Features and Radiographic Imaging of Long-term Survivors With Carcinoma of the Head of the Pancreas

　浸潤性膵肝癌長期生存例を取り上げその臨床像と画像所見を中心に検討した．血管浸潤例でも合併切除により根治度Aが期待できる症例も切除適応としている．無黄疸長期生存例においては腹部超音波検査を契機に膵腫瘍が指摘されているものが多かった．

　腫瘍径としては比較的小さいものが多いものの，膵後方組織への浸潤を来たす症例が50％を占めていた．また，半数の症例が第一群リンパ節転移陽性例であり，根治切除を目指した過不足のないリンパ節郭清の重要性が示唆された．さらに，画像診断技術の向上に伴い術前進展度診断がより正確なものとなり，必要十分な外科治療が可能になると思われた．