進行肝細胞癌の治療戦略
進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法の適応と成績
小尾 俊太郎
1
,
佐藤 新平
,
河井 敏宏
,
佐藤 隆久
,
杉本 貴史
,
菅田 美保
1佐々木研究所附属杏雲堂病院 消化器・肝臓内科
キーワード:
Fluorouracil
,
Interferons
,
肝細胞癌
,
腫瘍多剤併用療法
,
生存分析
,
治療成績
,
肝動脈内注入化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Fluorouracil
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Interferons
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
pp.1059-1063
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015304277
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肝動注化学療法は奏効すればきわめて長期の生存が期待できるため,本邦においては多発肝癌あるいは脈管浸潤を伴う進行肝細胞癌の標準的治療として位置づけられてきた.しかしながら,エビデンスレベルの高い臨床試験は存在せず,さらに治療を行った集団全体の生存率についても,survival benefitがあるかどうか不明である.それゆえ肝細胞癌に対する肝動注化学療法は予後を改善する可能性はあるが十分な科学的根拠がないとされている.今後,肝動注化学療法の有効性を証明していく努力が必要である.現在,標準治療であるソラフェニブに対する上乗せ効果を検討する,多施設共同Phase3試験(SILIUS)が行われている.
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