Japanese
English
特集 自己免疫性膵炎とその周辺
自己免疫性膵炎における膵内外分泌機能
Endocrine and Exocrine Pancreatic Function in Patients with Autoimmune Pancreatitis
伊藤 鉄英
1
,
明石 哲郎
1
,
井上 直子
1
,
河邊 顕
1
,
小島 瑞穂
1
,
宜保 淳也
1
,
久野 晃聖
1
,
有田 好之
1
,
大越 恵一郎
2
,
澄井 俊彦
3
,
木村 寿成
4
,
名和田 新
1
Tetsuhide ITO
1
,
Tetsuro AKASHI
1
,
Naoko INOUE
1
,
Ken KAWABE
1
,
Mizuho KOJIMA
1
,
Junya Gibo
1
,
Terumasa HISANO
1
,
Yoshiyuki ARITA
1
,
Keiichiro OGOSHI
2
,
Toshihiko SUMII
3
,
Toshinari KIMURA
4
,
Hajime NAWATA
1
1九州大学大学院病態制御内科
2門司労災病院消化器内科
3国立九州がんセンター消化器部
4社会保険仲原病院内科
1Department of Medicine and Bioregulatory Science, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
2Division of Gastroenterology, Moji Rosai Hospital
3Department of Gastroenterology, National Kyushu Cancer Center
4Department of Internal Medicine, Social Insurance Nakabaru Hospital
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
膵内外分泌能
,
ステロイド治療
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
膵内外分泌能
,
ステロイド治療
pp.85-90
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900376
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ステロイド治療を施行した自己免疫性膵炎について膵内外分泌能を検討した.膵炎発症時80%に耐糖能異常を認めた.発症前より糖尿病が存在している症例では,ステロイド治療にて耐糖能は悪化した.発症時に初めて耐糖能異常が出現した症例では改善した.また,外分泌機能低下を80%に認め,ステロイド治療により半数は正常化した.自己免疫性膵炎の耐糖能異常発症機序として,急激な炎症細胞浸潤および線維化に伴う膵外分泌血流障害がラ氏島の血流障害を引き起こし,外分泌障害に引き続き,内分泌機能低下をきたすことが推察された.ステロイド投与にて耐糖能の改善する症例も多いが,すべての症例で改善するわけではなく,ステロイド治療に関しては十分な耐糖能評価および経過観察が必要である.
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