特集 自己免疫性膵炎(AIP)
10.自己免疫性膵炎の長期経過とmanagement
平野 賢二
1
,
渡邉 健雄
1
,
前川 久登
1
,
中村 知香
2
,
中井 陽介
2
,
小池 和彦
2
1東京高輪病院消化器内科、東京大学医学部消化器内科
2東京大学医学部消化器内科
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
ステロイド治療
,
維持療法
,
予後
,
発癌
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
ステロイド治療
,
維持療法
,
予後
,
発癌
pp.219-226
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000232
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自己免疫性膵炎(AIP)に無治療軽快例はなくはないものの,無治療例の再燃率は高く,原則はステロイド治療が必要である.また,ステロイド維持療法が再燃抑制に有用であることが知られている.ガイドラインでは3 年の維持療法を提唱しているが,3 年でステロイドを中止するとその後の再燃率は高くなり,3 年では不十分な可能性が高い.一方で長期投与に伴うステロイド副作用の増加の懸念もあるため,維持療法がどのくらい必要かを結論づけるのは現時点では難しいと考えられる.AIP における発癌が多いか否かはまだ結論がついていないが,若干は多い可能性がある.ただし,長期管理の方法を大きく見直す必要があるほどのインパクトはないと考えられる.
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