Japanese
English
特集 超音波革命―ハーモニックイメージング
胆膵疾患における造影ハーモニックイメージングの臨床
Contrast-enhanced Harmonic Imaging of Biliopancreatic Diseases
今井 英夫
1
,
堀口 祐爾
1
,
久保 裕史
1
,
鈴木 智博
1
,
上松 正尚
1
,
渡辺 美帆
1
,
竹内 文康
1
,
鈴木 理恵
1
,
坂本 宏司
1
,
豊田 秀徳
1
,
刑部 恵介
1
,
西川 徹
2
,
山田 久美
2
,
杉田 由紀子
2
,
傍嶋 智恵美
3
Hideo IMAI
1
,
Yuji HORIGUCHI
1
,
Hiroshi KUBO
1
,
Tomohiro SUZUKI
1
,
Masanao UEMATSU
1
,
Miho WATANABE
1
,
Fumiyasu TAKEUCHI
1
,
Rie SUZUKI
1
,
Hiroshi SAKAMOTO
1
,
Hidenori TOYOTA
1
,
Keisuke OSAKABE
1
,
Tohru NISHIKAWA
2
,
Kumi YAMADA
2
,
Yukiko SUGITA
2
,
Chiemi SOBAJIMA
3
1藤田保健衛生大学消化器内科
2藤田保健衛生大学病院臨床検査研究部
3藤田保健衛生大学病院放射線部
1Deparment of Gastroenterology, Fujita Health University
2Department of Joint Research Laboratory of Clinical Medicine, Fujita Health University
3Department of Radiology, Fujita Health University
キーワード:
造影ハーモニックイメージング
,
超音波造影剤
,
Pulse Inversion Harmonics
,
膵・胆道系腫瘍性病変
Keyword:
造影ハーモニックイメージング
,
超音波造影剤
,
Pulse Inversion Harmonics
,
膵・胆道系腫瘍性病変
pp.695-703
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900232
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
経静脈性超音波造影剤(Levovist)®を用いた造影ハーモニックイメージングの出現は,Bモードの分野でも,いわゆる,perfusion imagingやparenchymal imagingなどの新しい手法とあいまってリアルタイムでの染影効果の観察を可能とした.その反面,使用する超音波診断装置の性能による差や音圧(MI)などの設定条件を含めた撮像方法による差がかなりあり,一部で混乱を招いていることも事実である.今回は肝疾患のみならず,少数例ながら膵・胆道系疾患に範囲を広げ検討してみた.まず正常膵は20秒後から染影効果が出現し,約3分間維持できた.また膵癌症例では腫瘍部,非腫瘍部の染め分けが可能で,膵管内乳頭腫瘍の充実成分の診断や腫瘤形成慢性膵炎との鑑別にも有用性がみられた.胆嚢癌では肝直接浸潤の診断に有用であった.しかし,膵臓,胆道は,いずれも組織そのものが高エコーのため腫瘍の染影の評価が困難なことがあり,また1回のflash echoでは病変を上手にhitするのが困難なことなど,肝腫瘍性病変に比べ問題点が多いことも事実である.現在すでにこれらを解決すべく次世代の超音波機器が開発導入されており,また,新しい超音波造影剤の登場も間近となっているので,今後,膵・胆道への応用も促進するものと思われる.現時点では,ただ漫然と行うのではなく,造影剤の特性,あるいは目的とする臓器あるいは腫瘍の特性や血行動態をよく把握したうえで行う必要があると思われる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.