連載 始める人と関わる人のための「消化器病理診断の基礎知識」[3]
胆道・胆囊:立体的イメージ力を磨こう!
福嶋 敬宜
1
1ジョンズ・ホプキンス大学医学研究所病理部
pp.417-423
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100472
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「上手な絵描きほど手術が上手い!」とは,『消化器切除標本の取り扱い方(神谷順一・二村雄次著,医学書院)』で見つけた一文です.これが真実であるかは病理医の私には分かりませんが,外科の先生方に絵を描くのが上手い人が多いのは事実ではないかと思います.
私は外科のカルテをレビューする機会があると必ず手術記載もめくります.手術の経過や術野の様子がとても分かりやすく書かれているからです.手術記載は手術後に術中のイメージをよみがえらせながら書くのだと思いますが,細やかな血管,神経,腹膜,病変の外観などが詳しく,しかも明快に描かれていて,いつも感心させられます.実際は陰に隠れて見えないはずの線も頭の中で再構成して書かれていたりしますが,この点,写真にも勝るものがありますね.
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