特集 ストーン・ウォーズ 果てしなき“石”と医師との闘い
【疾患別各論〜レアな疾患群】
❻陶器様胆囊
横山 健介
1
,
菅野 敦
1
,
福嶋 敬宜
2
,
山本 博徳
1
1自治医科大学 内科学講座消化器内科学部門
2自治医科大学 病理学講座
キーワード:
陶器様胆囊
,
石灰化
,
音響陰影
Keyword:
陶器様胆囊
,
石灰化
,
音響陰影
pp.910-911
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204937
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CASE
患者:76歳、女性。
現病歴:他院で胆囊の石灰化を認め、精査目的に当院を受診した。腹部単純X線検査では、壁が石灰化した胆囊が認められた。腹部超音波検査では、胆囊は石灰化のために音響陰影を伴い、内腔の評価はできなかった。腹部CT検査では、胆囊壁を縁取るように石灰化を認めたが、腫瘍性病変は指摘できなかった(図1)。画像所見から陶器様胆囊(porcelain gallbladder)と診断され、腹腔鏡下胆囊摘出術が施行された。固定標本では胆囊頸部に結石を認め、胆囊壁は全体に肥厚しており、内腔の粘膜は脱落していた。組織学的には胆囊の壁構造は高度の線維化により不明瞭化し、硝子化と石灰化を伴う線維性組織に置換され、内腔の胆囊粘膜上皮はびまん性に脱落していた(図2)。悪性の所見は認められなかった。
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