特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
胆道:胆管・胆囊
香田 渉
1
,
蒲田 敏文
1
,
松井 修
1
1金沢大学医学部放射線科
pp.270-277
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104191
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正常解剖
●胆道系の正常解剖(図1~4)
胆道とは,肝細胞から分泌された胆汁が十二指腸に流出するまでの全経路を指すが,胆道癌取扱い規約では肝外胆道系を意味し,肝外胆管,胆囊,乳頭部に区分される(図1)1).
肝外胆管は,肝門部胆管,上部胆管,中部胆管および下部胆管に区分される.肝門部胆管は,左側は外側区と内側区の合流部から,右側は前枝と後枝の合流部から左右肝管合流部下縁までとされ,さらに右肝管,左肝管,上部胆管で囲まれる部位は肝管合流部とされる(図2).上部および中部胆管は,肝門部胆管の下縁から膵上縁までの部分を2等分して区分され,下部胆管は膵上縁から十二指腸壁を貫通するまでの部分とされる.解剖学的には肝左葉から出た左肝管と右葉から出た右肝管が肝門部で合流し総肝管となり,その下方で胆囊管と合流し総胆管となるが(図3),胆道癌取扱い規約では,胆管の区分として総肝管,総胆管という解剖学的な名称は用いない.
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