Japanese
English
症例報告
慢性膵炎との鑑別が困難であった浸潤性膵管癌の1例
A Case of Invasive Ductal Carcinoma of the Pancreas Which was Difficult to Differentiate from Chronic Pancreatitis
大久保 裕直
1
,
須山 正文
1
,
松村 祐志
1
,
加藤 圭
1
,
越川 均
1
,
田所 洋行
1
,
崔 仁煥
1
,
窪川 良廣
1
,
佐藤 信紘
1
,
信川 文誠
2
,
須田 耕一
2
Hironao OHKUBO
1
,
Masafumi SUYAMA
1
,
Yuji MATSUMURA
1
,
Kei KATO
1
,
Hitoshi KOSHIKAWA
1
,
Hiroyuki TADOKORO
1
,
Jinkan SAI
1
,
Yoshihiro KUBOKAWA
1
,
Nobuhiro SATO
1
,
Bunsei NOBUKAWA
2
,
Koichi SUDA
2
1順天堂大学消化器内科
2順天堂大学病理学第一
1Department of Gastroenterology,Juntendo University
2Department of Pathology I,Juntendo University
キーワード:
浸潤性膵管癌
,
膵管内乳頭腫瘍
,
慢性膵炎
Keyword:
浸潤性膵管癌
,
膵管内乳頭腫瘍
,
慢性膵炎
pp.409-415
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100471
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要旨 慢性膵炎と鑑別が困難であった浸潤性膵管癌の切除例を報告した.患者は54歳,男性.2年前より膵炎を繰り返すようになり,当科に紹介入院.CTにて膵頭部は軽度腫大しているが明らかな腫瘤像はなく,体尾部の主膵管は拡張していた.ERPにて主膵管は不整な狭窄を認め,頭部の分枝膵管は拡張し内部に蛋白栓と思われる透亮像がみられ,慢性膵炎様の膵管像を呈していた.十二指腸副乳頭周囲に管状腺癌の浸潤がみられ膵癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.組織学的には主膵管やその近傍の分枝膵管に乳頭状腫瘍が管内進展をきたす像を認めた.膵実質は比較的残存し,線維化の所見もみられ,囊胞状に拡張した膵管内には蛋白栓がみられた.本症例は浸潤性膵管癌ではあるが,通常型膵管癌の典型的な画像所見が得られず,十二指腸浸潤により膵癌と診断できた.
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