講座 最新の消化器CT診断
マルチスライスCTによる膵臓のダイナミックCT―膵癌の診断をターゲットとして
山下 康行
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部放射線診断学部門
pp.118-122
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100381
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従来から行われている血管造影やERCP,超音波内視鏡などの診断法は比較的侵襲性であるため,診断能の維持あるいは向上を図りながらより侵襲の低い診断法が模索されている.最近ではマルチスライスCTが登場し,膵臓でもダイナミックCTやCT angiographyを初めとした三次元画像が臨床応用されている.
膵臓や胆道の病変は肝臓と比較して一般的に小さな病変が多く,高い空間分解能が要求されることが多い.膵管や胆管などの管腔の病変は,MRCPによって容易に画像化できるようになったが,腫瘍自体の描出は困難である.しかし,マルチスライスCTの登場によって膵胆道系においても高い空間分解能による診断能と高性能ワークステーションの活用による臨床的に有用な三次元画像が提供されるようになった.
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