講座 最新の消化器CT診断
肝臓のダイナミックCT
山下 康行
1
1熊本大学医学部放射線医学講座
pp.375-379
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900422
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肝臓のダイナミックCT
肝臓のCT診断ではダイナミックCTが行われることが多い.これはCTではMRIのように病変と健常部のコントラストがほとんどないため,肝臓の疾患の診断には造影剤投与が不可欠なためである.通常造影剤を急速に投与後,肝臓の複数のスライスを経時的に撮像する必要がある.このようなダイナミックCTでは病変の検出のみならず病変の血行動態の評価も可能である.殊にヘリカルCTによるダイナミックCTでは肝臓のすべての領域を1回の呼吸停止下に撮像することが可能である.もちろんシングルスライスのヘリカルCTでも1回の呼吸停止下に肝臓の全体を撮像することが可能であるが,スライス厚をやや厚め(7~10mm)に設定する必要がある.マルチスライスCTでは薄いスライス(2.5~5mm)でも肝臓全体を短い撮像時間で撮像することが可能である.
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