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特集 冠動脈病変の画像診断―CT,MRIは冠動脈造影にどこまで迫れるか
マルチスライスCTによる冠動脈の画像化
Non-invasive Imaging of Coronary Artery and Plaque with Multi-slice CT
栗林 幸夫
1
,
陣崎 雅弘
1
,
佐藤 浩三
1
,
田波 穣
1
,
山田 稔
2
Sachio Kuribayashi
1
,
Masahiro Jinzaki
1
,
Kozo Sato
1
,
Yutaka Tanami
1
,
Minoru Yamada
2
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
2慶應義塾大学医学部リサーチパーク心臓血管画像研究室
1Department of Diagnostic Radiology, School of Medicine, Keio University
2Cardiovascular Imaging Laboratory in Research Park, Keio University School of Medicine
pp.667-675
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100323
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はじめに
冠動脈病変の画像診断法としては,従来から選択的カテーテル挿入による冠動脈造影がgold standardと考えられてきた.時間分解能と空間分解能に優れた診断法であるが,冠動脈造影には侵襲的な手技を要し,また血管内腔の影を見ている方法なのでプラークなど血管壁に関する情報が得られない欠点があった.
一方,近年における非侵襲的画像診断法の進歩は著しく,特にCTでは複数の検出器列でデータ採取を行うマルチスライスCTの進歩により,冠動脈の画像化が可能となった1,2).CTの特徴は,冠動脈内腔の情報ばかりでなくプラークを含めた壁の状態を画像化できる点にある.本法は,冠動脈狭窄のスクリーニングのみでなく,動脈硬化性プラークの性状評価や治療後の経過観察の手法としても期待が寄せられている3).
本稿では,マルチスライスCTによる冠動脈の画像化について,その進歩と現状を概説し,冠動脈造影にどこまで迫れる情報を提供できるか,またどのような点において冠動脈造影を凌駕できる情報を提供できるかについて述べて行く.
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