講座 最新の消化器CT診断
マルチスライスCTで消化器診断はどう変わる?
山下 康行
1
1熊本大学医学部放射線医学講座
pp.111-117
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900380
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近の放射線診断学最大のイノベーションはマルチスライスCTの登場であろう.ヘリカルCT登場の後,どちらかというとMRIに押されがちであったCTであるが,ここにきて大きく盛り返している.CTの最大のメリットは時間分解能(速く撮れる)と空間分解能(細かく撮れる)が高い点であるが,これまでのヘリカルCTではどちらか一方を優先すると片方がおろそかになってしまっていた[注1].ところがマルチスライスCTによってこの空間分解能と時間分解能の両立が可能となり,画像診断に大きなインパクトを与えている(図1).むろん消化器領域の画像診断も例外ではない.
本シリーズではマルチスライスCTが消化器診断においてどの様なインパクトを与えるかをわかりやすく解説していきたい.第1回目としてマルチスライスCTとはどういうものか,さらに消化器疾患に対してどの様に適応されるかについて概説する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.