Japanese
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特集 IPMT由来浸潤癌と通常型膵管癌の違い
序/IPMTに関する諸問題
Current Problems for Intraductal Papillary-mucinous Tumors of the Pancreas
真口 宏介
1
Hiroyuki MAGUCHI
1
1手稲渓仁会病院消化器病センター
1Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital
キーワード:
IPMT
,
MCT
,
通常型膵管癌
Keyword:
IPMT
,
MCT
,
通常型膵管癌
pp.13-16
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100364
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IPMT由来浸潤癌の話題は今まさにトピックスである.通常型膵管癌に比べ予後良好な膵癌として“粘液産生膵癌”が報告され20年が経ち,IPMTの名称で世界的に認知されてきたが,IPMTでは“浸潤しても予後は良好である”,逆に“浸潤癌では予後は通常型膵管癌と変わらない”など報告者により見解が異なる.最近になり,IPMT由来の浸潤癌か通常型膵管癌由来の浸潤癌か鑑別困難な例が存在することが分かってきた.例えば,病巣の周囲分枝の拡張を認める通常型膵管癌,粘液産生能の乏しいIPMTの浸潤癌,通常型としての粘液癌,通常型膵管癌に近接して存在するIPMT,などである.本テーマは,胃,大腸,肝癌の発生に関する研究(例えば組織型,背景,進展様式,予後など)が進み徐々に解明されつつあるのと同様に,“膵癌の発生に関する研究”という意味において興味深いものになると確信する.
さて,“IPMT”を知るには,疾患概念の変遷を整理しておく必要がある.
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