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特集 膵腺房細胞癌の診断と治療
膵腺房細胞癌の病理
Pathology of Acinar Cell Carcinoma
安川 覚
1
,
柳澤 昭夫
Satoru YASUKAWA
1
,
Akio YANAGISAWA
1京都府立医科大学大学院医学研究科計量診断病理学
1Department of Surgical Pathology, Kyoto Prefectural University Graduate School of Medicine, Kyoto
キーワード:
腺房細胞腫瘍
,
腺房細胞癌
,
病理
,
組織像
Keyword:
腺房細胞腫瘍
,
腺房細胞癌
,
病理
,
組織像
pp.7-11
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100241
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要旨 膵腺房細胞癌は腺房細胞への分化を示す上皮系悪性腫瘍である.腺房細胞への分化は酵素原顆粒の存在を電子顕微鏡的に証明すること,あるいは,腺房から分泌される消化酵素の存在を免疫組織学的に証明することである.肉眼像は一般的に境界が比較的明瞭,多結節状で,組織像は,正常の腺房細胞に類似した腫瘍細胞が充実性に増殖し,線維帯により囲まれた大小の結節状構造を呈することが特徴的である.しかし,このような特徴的構造を示さず正常の腺房細胞に類似した腫瘍細胞が増殖している症例もあり,いずれの場合も確定診断は消化酵素の存在を証明することによってなされる.膵腺房細胞癌と腺腫の鑑別は異型が強く分裂像が多数認められる場合,脈管侵襲・転移等の明らかな悪性所見が認められる場合は問題ないが,これらの所見が認められない場合は難しい.このような場合の良悪性診断基準は症例を蓄積し検討する必要がある.
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