Japanese
English
特集 膵腺房細胞癌の診断と治療
膵腺房細胞癌の治療
Treatment of Acinar Cell Carcinoma of the Pancreas
北上 英彦
1
,
近藤 哲
1
,
平野 聡
1
,
矢野 智之
1
,
岡村 圭祐
1
,
鈴木 温
1
,
狭間 一明
1
,
七戸 俊明
1
,
河上 洋
2
,
江川 新一
3,5
,
田中 雅夫
4,5
Hidehiko KITAGAMI
1
,
Satoshi KONDO
1
,
Satoshi HIRANO
1
,
Tomoyuki YANO
1
,
Keisuke OKAMURA
1
,
On Suzuki
1
,
Kazuaki HAZAMA
1
,
Toshiaki SHICHINOHE
1
,
Hiroshi KAWAKAMI
2
,
Shinichi EGAWA
3,5
,
Masao TANAKA
4,5
1北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科
2北海道大学大学院医学研究科消化器内科
3東北大学大学院医学系研究科消化器外科
4九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
5日本膵臓学会
1Department of Hokkaido University Graduate School of Medicine, Sapporo
2Department of Gastroenterology, Hokkaido University Graduate School of Medicine, Sapporo
3Department of Gastroenterological Surgery, Tohoku University, Graduate School of Medicine, Sendai
4Department of Surgery and Oncology, Graduate School of Medicine Science, Kyushu University, Fukuoka
5Japan Pancreas Society
キーワード:
膵腺房細胞癌
Keyword:
膵腺房細胞癌
pp.19-25
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100243
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要旨 膵腺房細胞癌は稀な腫瘍であり,まとまった症例数の臨床研究はなく,いまだ不明な点が多い.今回,日本膵臓学会に登録されている膵腺房細胞癌115例の臨床的特徴,治療法,治療成績を検討し,治療方針について概説した.本腫瘍は進行例が多く予後不良とされてきたが,今回の検討からは切除可能例が76.5%と多く,切除例の5生率は43.9%と良好であると言える.本腫瘍は術前診断が困難であるが,本疾患を常に念頭に置き,通常型膵癌に準じた手術を行う方針でよいと思われる.本腫瘍と診断できた場合は良好な予後が期待できるので,より積極的な外科的アプローチも容認されよう.また切除不能例,再発例に対しては,化学療法が期待できると考えられる.今後,本腫瘍に対して手術を中心とした集学的治療を確立することが課題である.
消化器画像2007;9:19―25
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